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クライミングジムBlue Birdのご紹介

皆さんこんばんは、ソムリエです。

第49回は群馬県太田市に新しくできた『Blue Bird Bouldering Gym』を紹介します。

 

クライミングジムBlue Bird

先月オープンしたばかりのジムで、PUMPの壁建て部門が初めて自社以外の壁を建てたジムでもあります。太田に新しくジムができるという話を聞いて、楽しみであること半分、警戒心半分といった具合でした。

この付近にはオズや我が愛しのランボもありますし、誰に聞いても前情報がほとんど入ってこない。唯一の情報源はブルーバード自体のSNSのみ。なんかPUMP壁建てとか書いてあるし、元スタッフの誰かがやるのか?など様々な疑問が尽きず、どこかのジムのスタッフでもないのに警戒心を抱いていました笑

ま、所詮私など客の身分ですのでそんな警戒心など杞憂でありますから、細かいことは考えず行ってみようと足を伸ばしてみました。で、実際行ってみたらどうですか。普通にいいジムじゃないかと。ということで、即決で書くことにしました。

それでは早速、紹介に入りましょう。

  • Blue Bird Bouldering Gym
  • 店舗の大きさ:普通
  • 壁高(壁について):普通か少し低め
  • 課題数:多くはない
  • 課題の傾向:ムーブ系
  • グレード感:少し辛め

 

店舗の大きさ

店舗は工場跡につくられており、ぱっと見はそんなに大きくないのかな?という感じ。実際中に入ってみると結構広くて、店内はクライミングエリアとレスト・トレーニングエリアに二分されています。クライミングエリアには受付・レストスペース・メインウォールの他に、キッズウォールを完備。メインウォールについては次の章で詳しく後述するので簡単にしておきますと、メインウォールのエリア自体はそれほど大きくはありません。クライミングジム的には小ぶりな方。レスト・トレーニングエリア全てを含めたジムの規模として、普通くらいの大きさかなというところです。

で、そのレスト・トレーニングエリアにはコタツやビーズクッション・ハンモックがあり、漫画や冷蔵庫・ケトルもあって居座れる(ダメになる)準備がしっかりとされていました。迂闊に足を踏み入れたら登ることを忘れてしまいそうで、今回はぐっと我慢。このエリアの上に更衣室があり、エリアの奥にはやたらと充実したトレーニングエリアがあります。個人的にこのトレーニングエリアがかなり好印象でした。

一時期スポーツジムに通っていたことがあるのですが、筋肥大を目的としないからマシントレーニングに興味ないし(やっても有酸素運動としてのバイクぐらい)、自重トレと体幹、ストレッチしかせず、これクライミングジムで出来るじゃんと気付いて辞めました。スポーツジムの唯一の利点は、それらのトレーニングとクライミングを切り離せることぐらい。クライミングジム内でトレーニングをしようとしても、つい登りたくなってしまうし、誰かと話し込んでしまったりとして効率的に進められなかったり、あるじゃないですか。スポーツジムならそれはありませんが、その為に毎月5000円~1万円も払うなら、『トレーニング中は絶対に集中して行う』と決めて月パス買えよって思ってしまったのです。

ここのトレーニングエリアはクライミングエリアから最も離れており、同じジム内にありながらクライミングを忘れてトレーニングやストレッチに集中することができます。しかも器具の品揃えが実にクライマー好みなチョイスばかり。キャンパボード・懸垂棒・マルチジム(ぶら下がり健康器)と自重系はこれで事足りますし、ストレッチ器具として前屈台と振動するフォームローラーがあるんですよ。騒音問題が著しいアイテムですが、ジムでならギリギリレベル2までは使える範囲でした(レベル3はやぱりうるさかった)。これ見よがしに堪能してきましたよ。買うと高いし、自宅で使うにもうるさいしそうそう使えるアイテムではありませんからね。スポーツジムに求めるものが大体このエリアに揃っていますので、もし近所であればレスト日にもストレッチやトレーニングだけをしに行ったことでしょう。この設備は素直に羨ましい。

追記:最近また器具が増えているらしいですよ。ラピスのローリーボールとゴムバンド。

 

クライミングウォール

すっかりトレーニングエリアの話に夢中になっていましたが、本題とも言えるメインウォールについての話をしましょう。

メインウォールはコの字型に繋がったレギュラーウォールと、その反対側に多面要素がかなり強い3D壁があります。レギュラーウォールの方は緩傾斜と強傾斜が半々くらいの割合。もしかしたら緩傾斜の方がいくらか多いかもしれません。全体的にところどこと多面壁としての要素があり、なかなか癖のある壁に仕上がっていました。私の思い違いだったら申し訳ないのですが、ここ一年くらいで壁を建て替えた大阪パンプや横浜パンプは自社の壁建て部門で行われたそうで、その壁建て部門が初めて自社以外の壁を手がけた記念すべき壁であります。最近のパンプの壁は綺麗で良いですよね。白く木の明るさを生かした壁は、やはり目に留まりますし、この特徴的な雰囲気がPUMPとしての象徴のようにも感じます。SNSを眺めていると、すごく分かりやすい。そしてブルーバードの壁の場合、強傾斜の上部に梁がありますので、そこはとなく横パンっぽい雰囲気があります。

そしてレギュラーウォールの反対側にある3D壁は小ぶりながらマッシュルーム壁のような形状で、ジムクライマー的にはすこぶる楽しい壁になっております。傾斜を感じ、時にダイナミックに、時にバランシーになったりと表情豊かな課題が豊富で、壁の形状的にもムーブや足でかなり誤魔化せるので、私のような保持弱クライマーでもかなり楽しめます。

壁の正確な高さが分からないのですが、強傾斜の一番高いところで、目算4.2mくらい。一番低いところでも3.5mくらいはありそうでした。よくよく見ると元々の天井を抜いて、床を下げてマットを収納しギリギリまで壁高を出しているので、建物の見た目から想像するより壁が大きい。これには良い意味で裏切られました。

 

課題数

課題数自体はそれほど多くはありませんが、要所要所で悪めの課題があり、味わいながら課題を楽しむことができます。グレードは幅広く簡単なものから2段まであり、それがちょっと意外でした。規模的に初段くらいまでかなと思っていたら、まさか2段まであるとは。まぁ、へっぽこクライマーの私にはあまり関係ない話ですが、強強な方が訪れても大丈夫と言うことでね。

正直ぱっと見の規模と課題数から予想して半日くらいで触り尽くしてしまうかなと思っていたのですが、なんだかんだ結構長いこと登れましたし、こちらも良い意味で裏切られた感じ。課題数と課題の傾向的にも、遠征向きな感じに仕上がっていたので、遠征客として不足はありませんでした。

 

課題の傾向

オープンニングセットはPUMP1の店長の鈴木さん、2号店の店長の恩田さん、リードのW杯で活躍された樋口さんをはじめとしたスタッフの皆さんの総勢10名で行われたそうで、PUMP色強めの課題になっています。とは言っても、私1号店にも2号店にも行ったことが無いので「あー、PUMPっぽいわー」と言うより「これがパン1・パン2の雰囲気なのね」って感じでしたが。強いて特徴を挙げるのなら、やはりフットワークの比重が高めだと言うことでしょうか。もちろん保持感やポジション・バランス感が重要ですが、どの課題もフットワークを疎かにできなかったなと。荻パンのように、うっすらとした『面や線』のような乗せ方ではなく、ジブスをはじめとした『点』でのフットワークを意識させられる課題が結構あったように思います。その辺はやはり、リードが盛んなジムならではの特徴なのかもしれませんね。兎にも角にも、いい加減1号店と2号店に行こうと思います。勉強不足で曖昧なことしか書けないのが情けないです。

課題の種類的にはダイナミックなものが各グレードにちらほらあり、他は真っ向系やバランシー系など様々で、どの課題も洗練された雰囲気があり、シックにまとまっている感じでした(←自分で言うのも何ですが、割と的を得た表現だと思う)。

 

グレード感

グレード感は3級くらいまでは割と辛め。課題数が多くなさそうだったので下のグレードから触り始め、このグレードでこの強度かと面食らいながら登っていました。オープニングセットは甘めなもんだろうと言う頭があったので、中々の衝撃でしたよ。いや、普通に悪いんですけどって感じで。とりわけぶっ飛んでるのは、強傾斜壁の右端にある黄色い6級。少なくとも6級要素はスタートとゴールホールドくらいしかない。ムーブや保持感ホールド感ともに6級では無い。これほど緊張感のある6級もそうありませんよ。面白かったけど。

2級以降は普通か比較的登りやすい感じで、幅のあるグレード感と言えるでしょう。登りやすい課題もあるし、冗談みたいに悪い課題もあったりとしたので、平均化すればだいたい普通くらいなのかなと言う印象。普段はそう手を出さないですが、初段でも結構遊べました。多面壁にある青いスクアドラの初段はかなり面白くて、癖が強くムーブ自体がかっこいいし、結構頑張って打ち込んでいました。どうしてもゴール取りの際の左手のビスが持てず体を引き上げられなくて敗退しましたが、それに至るまでの過程もすこぶる楽しかった。他にも黒いPro setを使った初段も楽しくて、こちらはスタンダードなど真っ向系。どちらかといえば苦手なクライミングですが、これは保持感とポジションのバランスが絶妙で、体にガツンとくる負荷がかなり良かった。クライマーならこの感じ結構好きだと思うんですよ。どっちもおすすめなので、訪れた際に残っていたらぜひ触ってみてください。

 

雑記

まずジムについて真っ先に思ったのは、予想を遥かに超えて田舎にあったことでした。信号は少なく、街灯も付近には見当たらず、駐車場は畑の横。いかにも人んちという敷地内にジムがあり、クライミングジムののぼりはあるけど、正直ちょっと入りにくい見た目。別に田舎であることをディスってる訳じゃあないですよ?

私が住んでいるところだって負けません。街灯はないし信号ないしポストもない。人もいない。コンビニなんて遥か彼方ですし、土と稲穂と牛糞の臭いが香しい地域であります。ブルーバードは目の前こそ畑が広がっていますが、すぐ裏には住宅が密集(田舎の感覚的にね)していますし、田舎の端っこという感じでした。もはやただの先入観でしたが、新しくジムができるなら街中の方だろうと勝手に思っていて、ジムに近づくにつれ妙な安心感を覚え、『あ、根っからの田舎者なんだわ』と自覚しました。ま、どうでも良い話ですね。ちなみにジムの敷地内に自販機はありますが、近くにコンビニ等のお店はありませんので、事前に軽食等を用意していきましょう。多分いざ必要になって買いに行こうとしても、車を出さないとなりません。折角の登る時間を削ってしまうので、準備は必須です。

またここまで『遠征客として、遠征先のジム的にどうだったか』と言う視点で話を進めてきましたが、実際ジム自体は地域密着を意識した作りなのです。冒頭でも触れたトレーニングエリアにしても、レストエリアの充実っぷりにしても、クライミング関係なく地域の人たちが気軽に訪れられるようにと言うもので、クライミングエリアが小ぶりでも初心者や家族連れの方たちにとっては、むしろその方が登りやすい環境なのでしょう。また水回りが非常に綺麗だったのも好印象でした。足洗い場まであるのが本当にありがたい。

ご近所の方は遊びに行ってもらいたいし、クライミングを始めてみたい未経験者の方や、クライミングを家族で楽しみたいという方にもオススメ。もちろん根っからのクライマーも十二分に楽しめる課題が揃っているので、遠征先としてもオススメであります。ぜひ足を運んでみてください。

それでは皆さん、またお会いしましょう。

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