皆さんこんばんは、ソムリエです。
先日は前回の往訪より全面変わったウォルラスにお邪魔してきました。
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今のセットもたくさんのゲストセッターが入っていて、各壁個性が際立っていて最高に楽しめましたので、簡単にご紹介したいと思います。
まず入ってすぐのところにある多面壁。こちらにはボルダーズのヤンキーこと坂本さんと、JAJAさんのセットになっております。この壁で一番目立つスクアドラの緑の課題は、今回のセットの中で一番惹かれていたといっても過言ではない楽しみにしていた2級の課題。見た目も動きもグレードもちょうど良い具合で、本当に惹かれていました。いざ実際に取り付くと、見た目の通り初手をランジして振られた勢いで2手目に手を出そうとすると、多分簡単に2級の強度を超えます。初手の距離は決して遠くないのですが、2手目が絶妙に悪い。また単純に一手目を止めた振られのまま手を出すとポジションが悪くて2手目が全く効かないので、一度空中で体をねじる必要があるんです。これが最高に面白くて、かなり難しいところ。そして何より問題なのが、ゴールが遠くて怖いっていうこと。下部はまぁなんとか処理できるとしても、繋げた先のゴール取りは本当に心にきます。事故の予感しかしない。意を決して手を出しても、めちゃくちゃ怖いんですよ。それ込みでもかなり面白い課題だったので、超おすすめ。多分現セット中ではこの壁が一番辛い感じになっていまして、随分とパンチが効いていました。低グレードからして強度も癖も出ているので、この壁はしっかり体が温まった頃に触り始めるのが良いでしょう。
その横のまぶし壁は我らがボスヒラリーさんによるセット。ここはもう安定と信頼のクオリティですよね。キーホールドを軸にいろんな可能性を持たせたホールドの配置が絶妙。何だかんだラインセットを触り尽くしてマンスリー課題も含めてこの壁でしばらく遊んでしまいました。
その横のラインセットの強傾斜には、のむしんこと野村君がゲストに入っております。多面壁でのヤンキーさんとJAJAさんとはまた違った、野村くんの強さ溢れる課題はこれまた独特で、おすすめは右端の青い2級と左端の灰色の1級のライン。青い課題の方はCheetaのデゥアルポケットにヒールをするという、一見かなり恐怖を感じる課題。ポケットの上にヒールして、ヒールが抜けた拍子に指を粉砕するんじゃないかというすごく嫌な予感。実はCheetaのこのシリーズにヒールをかけるには明確な攻略法がありまして、内側からヒールを掛けると普通に掛けることができるんですよ。外側からかけると、てんでさっぱり掛からないんですけどね。なぜそうなのかというはっきりとした説明は出来ませんが、多分ヒールに荷重を掛け始める方向の問題なんだろうと思います。この方法で行うと非常に安心感を持って動けるので、見た目とは裏腹に結構安心感を持って登れます。本当にホールドの使い方が上手だなと感心させられます。灰色の課題の方は、バブルやタイジュツが誘ってくる魅力的なライン。登ってみると下部は比較的愛がありますが、ゴール一手前を取るのが最大核心。ハンドホールド自体は保持感が悪いわけではないのですがのですが、バランスとスタンスが非常にいやらしい。思うように距離が出せずに、悪戦苦闘すること間違いなし。
薄かぶりには若宮さんのセットで、バランシーやテクニカル系な感じの壁に仕上がっています。とりわけ飛び抜けているのが、紫の4級とピンクの3級。紫の4級は明らかに様子がおかしくて、ムーブにしてもリスク感にしてもどこも4級じゃない。何となく動きはわかるんですが、実際言われてみないと思いもつかなかったムーブ必要で、それで行えばまぁ確かに気持ちよく登れますが、それでも2〜3級はあると思う。これは最高にテイスト出していましたね。ピンクの3級もこの傾斜で随分とおかしな動きが出てくる課題で、何だか色々と後頭部が怖い。この傾斜で回転ムーブってきつくないっすか。かといってそれ以外の動きも出来そうにないので何度かトライしてみましたが、うん、出来ない。それを抜けた先も気の抜けないパートが続いているので、実際これも3級は超えていたと思う。
最近変わったばかりのスラブと垂壁は奥谷さんと徳さんによるセットで、スラブ面が奥谷さん、垂壁が徳さんになっております。奥谷さんによるスラブ面はとっても岩テイストな感じで、どの課題も辛めで癖強め。例えば白の3級とか、見た目からしてとても岩っぽい。細かいスタンスにいやらしいバランス感。最近スラブ用のメンタルが貧弱なソムリエさんにはとってもつらい課題でした。あとは青の2級とかが比較的とっつきやすい課題でしょうか。この課題は比較的ジムらしさが出ている課題ではありますが、序盤の保持感とバランス感は結構繊細。薄っすら持ててはいるし、なぜかその場に留まれているから重心位置を崩さないように慎重に足を上げ、微妙に合わないポジションに苦しみながら上体を上げていく感じ。雰囲気的には随分岩っぽさを感じてしまうのは私だけでしょうか。
徳さんによる垂壁は打って変わって非常にボリューミー。見た目こそポップな課題が多いですが、いざ登ってみると中身はそんなこともなく、どの課題もバランシーかつテクニカルに作られております。しっかりポジションを合わせてどれだけ足に荷重を任せられるかという感じで、保持しないクライミングが好きな人は結構ハマることでしょう。印象深いのはコーナーにある黄色い2級。如何にもこうにもバランス感が不自然な感じで、不安でいっぱいのポジションを我慢しながら、上部に襲いくるさらに強烈な不安。これはとても味わい深い課題でしたね。保持感自体はそれほど強くないので、いろんな人に触ってもらいたい課題です。
とまぁこんな感じ。
最初に紹介した多面壁がこのセットの中では一番古く、次回はその辺が変わりそうなので、前回の往訪より全面変わったなという方はぜひ今度の遠征に、行かれてみてはいかがでしょうか。
それでは皆さん、またお会いしましょう。
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