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クライミングジムロックメイト-松井山手店-のご紹介

皆さんこんばんは、ソムリエです。

第48回は『ロックメイト 松井山手店』を紹介していきます。

 

クライミングジムロックメイト-松井山手店-

2018年の12月に『ブランチ松井山手』に満を持してオープンし、ここ最近一番注目していたジムです。ロックメイトが新しく京都にジムを出すと聞いてから、ずーっとこの訪れる日を待っていました。そう思えば、滋賀大津店と同じくらいの間思い焦がれていたかもやしれません。壁を建てた人に話を聞いて、セットした人に話を聞いて、SNSでお店の様子もことあるごとにチェックしていて、気になって気になって仕方のない日々を過ごしておりました(まるでストーカーみたい)。オープンから間もないというのにSNSの投稿数もかなりのものですし、ホールドの育ち具合がかなり早いので、すでにかなりの数のお客さんが訪れたのでしょう。それだけ関西での注目度も高いものと思われます。

なんだかジム紹介を書くのも相当久々なのできちんと書けるかやや不安ですが、今回も遠慮なく文字数増し増しで紹介していきますので、どうぞ最後までお付き合いくださいまし。

それでは早速紹介に移りましょう。

 

クライミングジムロックメイト-松井山手店-

  • 店舗の大きさ:広い
  • 壁高(壁について):高い
  • 課題数:多い
  • 課題の傾向:バランシーでテクニカル
  • グレード感:やや優しめ

店舗の大きさ

ロックメイト松井山手店は『ブランチ松井山手』というショッピングモールの中に入っており、建屋から作られた滋賀大津店と比較すると、少しばかり小さいかもしれません。ですが比較対象が大きすぎるだけであって、クライミングジムとしては結構大きい部類であることは間違いありません。小さめのジムならすっぽり入ってしまいそうなほど広々としたキッズパークに、壁高もある上に各面広々と作られたクライミングエリア。レストエリアも十分すぎるほどに設けられており、このジムがモール内にあるのかと忘れてしまうほどの規模であります。

 

クライミングウォール

壁の高さは初心者兼キッズウォールだけ4mで、基本的には4.5mと結構高めになっております。

壁の種類も豊富で、キッズウォールから大きめの面一の壁がスラブ・垂壁・薄かぶり・強傾斜と揃っており、それ以外に『島』と呼ばれる独立した壁があります。島は形状豊かな多面壁で、緩傾斜が多めの壁になっております。しかしおおよそ島と呼べる規模の壁ではなく、一周がかなり大きいし、壁も天井ギリギリまで建てられているので、ウォールマリアとかそんな例えの方が適当なのでしょうか。聞くところによれば当初の計画よりどんどん大きくなっていったそうで、規格外な逸話もさすがはロックメイトだなと思ってしまいました。

そしてこの豪華なホールドの数々。日本で初めてイリュージョンのこの巨大な『IZOHYPSE VOLUME』を導入。昨年の夏の展示会以降、このホールドが日の目を見たのは昨年販売元であるモノリスで行われた『モノリス感謝祭』の一度きりではないでしょうか。それが一式で揃っているのは展示会以来ですし、この巨大なホールドを易々と受け入れてしまう壁の大きさも驚愕です。何より衝撃だったのは、SNSでこれがついている強傾斜の動画を見ているときに、サイズ感が大きすぎて錯覚を起こしてしまったのです。小さい女の子かと思ったら、成人女性で、どんな巨大な壁なのかと驚愕しました。実際の壁もかなり巨大で、手数が多くしっかりと疲れ果てられます。本当にこの規模の壁がモールの中に入っているとは信じられません。

またCOREの一番大きいマグロのような形のものもありますし、その他珍しいラインナップが揃っているので、CORE好きとしてはグレード関係なしに夢中になって取り付いてみては、ベタベタとホールドを触り回してきました。やっぱり手触りと厚み、保持感のどれもがいいですよね。取り合えずこの世のガバが全てCOREのガバになればいいのに。もしくは被りに付けるガバは全部COREになればいい。次点でKilterのガバがいい。で、そんな話は置いといて、他にはUNDER BLUE HOLDのマグロさんもいるのです。しかもスラブに。ちなみにスラブのマグロの1級はとてもいい課題でした。課題としてもいいし、マグロが他の課題に微妙に干渉してきてこれまたいい味を出しているのですよ。マグロを避けつつ立ち上がるものがあったりと、壁の中でいい仕事していました。他にもアンブルの円柱状のボテや去年の八王子WCで使われたボルトミックという巨大なボテがいたり、珍しいホールドがたくさんあるので関西のクライマーばかりではなく、関東のクライマーにも是非足を運んでいただきたいラインナップです。これほどの高級ホールドと戯れられるジムというのもそうありませんからね。それにかまけて登り倒したら、あっという間に指皮が霧散しました。ロックメイトに遠征に行く場合は、クライムオンなどの指皮クリームは必須でございます。冗談抜きで本当に無くなるので。

余談ではありますが、最近指皮の回復に今まで以上に時間がかかるようになり、少しばかり歳を感じます。こうやってゆっくりおじさんになっていくんですね。多分。

 

課題数

課題はフルラインセットですが、90本ほどあります。緩傾斜が比較的多いジムなので、強傾斜で疲れたら空いている色んな壁を巡るというパターンがいいでしょう。先ほど話したように豪華なホールド、つまるところフリクションで持つようなホールドが多いので、計画的に登っていかないと途中で指皮が尽きます。私の場合序盤に強傾斜のイリュージョンを使った1級を触り始めて指皮が持たなかったので、あれは中盤以降がオススメです。序盤にあれをやったのは大きな間違いでした笑 ちらっと前述したCOREの珍しいラインナップで構成された課題は指皮が尽きた時でも安心して触れるので、癒しのような課題でした。まぁこんな具合に課題のフリクションと相談しながらトライしていく順番を決めていくのがオススメです。

 

課題の傾向

オープニングセットのゲストセッターは、トッキー・じゃじゃこと藤原佑樹さん・DOGWOODから岩橋さんの御三方。この三人が作った課題ですから、楽しくないわけがありません。それぞれの癖や個性が色濃く出ていますし、それらを感じながら登るのも面白いでしょう。

課題はダイナミック・コーディネーションから、じっくりジワジワ系・繊細でバランシー・真っ向系やスタンダードなものから癖の強いものまで幅広く揃っています。比較的下のグレードはスタンダードめで癖が少ないので、初心者の方でも結構登れるのではないかと思います。高グレードになるにつれ癖が色濃く出てきて多種多様な動きを要求されるので、中上級者の方も大満足の内容。印象深い課題は結構ありますが、その中でも特に異質だったのが、更衣室前の薄かぶりの黄色い初段。ダイナミック・コーディネーション系の課題なのですが、関東でもそう見かけない癖の強い動き。頭じゃ理解できるけど体はそう簡単に動いてくれないので、どうにかならんものかと何度も何度もトライを重ねてしまいました。登れないだろうとわかっていても登りたくなってしまう魅力がある課題だったので、訪れた際にはぜひ触れてみてください。

ここであえて恐れ知らずのことを書くのならば、緩傾斜が少ない関西においてロックメイト松井山手は稀有なジムと言えるでしょう。保持やフィジカルに頼らない、フットワークやポジショニングで登れる課題が豊富なので、そういった技術的なトレーニングにもってこいのジムであります。あくまで個人的な主観ではありますが、関西のクライマーはとにかく強い。保持やフィジカルがしっかりしている方が多いので、ここでフットワークなど技術的な部分をトレーニングすれば、もっともっとクライミングの幅が広がるのではないかと思います。この際関東や関西などどうでも良いのです。どちらが優れているのかなんて話じゃありません。今までなかったものが、今まで中々触れることのなかったものが、ロックメイトができたことによってもっと身近に触れることができるのです。今まで交わらなかったものが混じり、クライミングの新たな一面を見ることができるでしょうし、誰も見たことがない新しい流れができるかもしれない。この松井山手店では、そんな可能性を確かに感じました。是非足を運んで、ここで感じるもの体験するもの全てを吸収して、それによってクライミング界がより賑わっていけば良いなと思うのです。

 

グレード感

グレード感はロックメイト滋賀大津店に比べて少し優し目かなと思いました。しかし多分これは壁の構成によるものも大きく、緩傾斜が多いジムなので足やポジション・バランスで誤魔化すことができたので、そう感じたのかなとも思います。指先でちゃんと持たなければいけない課題などでは、しっかり1級を感じましたので。それに今の大津店の左半面は結構辛めなグレード感ですからね。

ソムリエ基準から見れば、半グレードほど優しめといった具合です。色々な課題を楽しみたい遠征先としてはちょうどいいグレード感。時折グレード感が辛い課題もちらほらありますが、むしろ打ち込みがいがあってそういった課題の方が強く覚えています。油断したところに来るグレード感辛めの課題って、何かに殴られるような意識をはっきりさせられるような感じがあって良いですよね(そう感じるのは私だけじゃないと信じたい)。

 

編集後記

子供に嬉しいポイントとして、ロックメイト松井山手店のキッズパークにはコストコに売ってる超巨大クマさんがいます。大人でも普通に上に寝っ転がれるほど大きい。そして大人でも持ち上げるのは中々しんどいくらいのビッグサイズ。これは夢がありますよ。子供の頃にこんなサイズのぬいぐるみで遊べたらさぞ幸せでしょう。トトロとか大好きな子供だったので、このサイズのぬいぐるみで遊べる環境というのは素直に羨ましい。お子さん連れのクライマーは必見です。流石にクマさんに乗っかったり抱きついたりはしませんでしたが、ちょっとだけそうしたいと思ったのも事実です。このサイズのぬいぐるみは流石に置き場所に困るので買えませんが、非常に憧れるものがあります。

あと1階にある『京都キョーワズ珈琲』も見逃せません。ブルーボトルコーヒーのように豆を選べるシングルオリジンコーヒーが注文でき、豊富な種類を試飲できるので、お気に入りの一杯を見つけることができるでしょう。個人的にお気に入りは『古都のみやび珈琲』。非常にフルーティーで、あっさりめでありながらコーヒーとしての味も整っているので、飲みやすくてシーンを選ばない良い珈琲でした。100g540円くらいと妙に安いのも良い。是非珈琲好きの方は、レスト中に訪れて見てください。ジムの近くに美味しい珈琲屋があるのはとても嬉しいことです。クライミングに珈琲と煙草は欠かせませんからね。

前述しましたが、ロックメイト松井山手店はブランチ松井山手というモール内に入っており、インターや駅から程近くパーキングも完備しているので、アクセスは非常に良好です。1つ注意事項として、車でお越しの際はナンバーを控えておいてください。入口にカメラがあって、そこでナンバーを控えられてあとでナンバーを検索して清算するという、珍しいシムテムのパーキングなので、ジムに行く前にナンバーの写真でも撮っておけば安心です。精算機がモールと駐車場の間にあるので、ナンバーを控えておかないと二度手間になってしまいます。またジムで帰りがけにサービス券(10時間分)を頂けるので、駐車料金も余程長居しない限り掛かりません。しかし技術の進歩を感じるシステムでした。カメラの画質も結構良いし、おじさんちょっと感動。あまりの画質の良さに、精算機の前で驚きのあまり固まってしまったのは秘密です。

 

終わりに

さて、いかがでしたでしょうか。

最近はイベントや再訪記事が中心になってしまい、久々のジム紹介なので上手くまとめられたか非常に不安ですが、思いつく限り書けたかと思います。ですが実際のところ、松井山手店の魅力の半分も伝えられていない気がしますので、是非足を運んでこの魅力を確かめてもらえたらと思います。

本当に、このジムの存在意義は大きいと思うのです。時代の流れの転換期というか、新たな流れの起点となる、そんなジムだと思います。だからこそいろんな人に訪れてもらいたいし、コンテンツの一つとしてその新たな流れを少しでも後押しできればと思います。

今回も長々と書いてしまいましたが、兎にも角にも是非足を運んでください。間違いなく、新たなクライミングの一面と出会えることでしょう。

それでは皆さん、またお会いしましょう。

 

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