コラム

ハリーさんのクライミングレッスン・エリートクラス

皆さんこんばんは、ソムリエです。

突然ですが、皆さんはクライミングというものをきちんと人から教わったことがあるでしょうか。

実際社会人からクライミングを始めてみると、人から教わる機会というものはそうないかと思います。教わる機会としては、クライミング初日の初心者講習、ジムのスタッフさんに聞いてみたり、日々のセッションから学んだり、課題から感じて登って身につけ、なんとなく本で読んだ知識を試してみたりと、意外とクライミングを『学ぶ』機会というものはそうないものです。

しかもそこからで得たものが正しい知識であるかも怪しいもので、もっといえば学んだことを正しく実行できているかももっと分からないことかと思います。野球やサッカーなどメジャーなスポーツは、社会人向けのレッスンも充実しているというのに。まぁとはいっても、一昔前に比べてクライミング界でも学ぶ機会、学ぶ場が随分と増えてきてはいますけどね。トレーナーの方も増えて、以前紹介したPCA(pump climbing academy)など専用の施設もできたりして、随分と恵まれた時代だなとは思います。ですがそれらは比較的都市部に集中しており、地方在住からするとそれらを利用するというのは中々大変なもので、その機会が均等でないのもまた確かな事かと思います。

また、いろんな方のレッスンがある中で、一体誰の元で指導を受ければ良いかわからないと言う方も、結構いるんじゃないかと。今まで色んな方のレッスンを何度か受けてみて、レッスンの内容も勿論重要ですが、なによりも講師の人柄が大切だと思うのです。いくら内容が素晴らしくても、講師の方との相性が合わないと、また受けようと思えないんですよね。 センスに溢れていたり天才肌の人の場合は一度教わったことをすぐに吸収できるのでしょうが、そんなのはごく少数の限られたケースであって、我々一般人は何度も通って教わって繰り返して、自らに染みついた癖を矯正して、少しずつ『正しいクライミング』を血肉にしていくしかないのです。たぶんね。

 

ハリーこと芝田将基さんのクライミングレッスン

さて、堅苦しい話はこの辺までにして、今回は独立してフリーランスになった芝田将基さん(ハリーさん)のクライミングレッスンを受けてきましたので、どんな感じのレッスンだったかを簡単に紹介しようと思います。PCAに取材しに行った際に受けて以来久しぶりのレッスンだったので少し緊張していましたが、受けてみて本当に良かったなと実感しております。ソムリエさん大概めんどくさがり屋なので、レッスン後も受けたことに満足して教わったトレーニングを普段のトレーニングに取り入れられないのですが、今回は目に見えて大きな変化を実感できたので、この感覚を維持するために、珍しくトレーニングに勤しんでおります。

とうことで、早速紹介に入りましょう。

 

クライミングレッスンのコースは2種類

クライミングレッスンはジュニアクラスとアスリートクラスの2種類があります。

ジュニアクラスは、ボルダーやリードの大会において上位を目指す中高生のクラス。エリートクラスは、ボルダーやリードの大会で日本代表を目指す方のクラス。この言葉だけ見ると物々しい感じで少し萎縮してしまいますが、ジュニアクラスは3〜4級くらいか、中高生向け。エリートクラスはそれ以上。って感じの分類です。今回は私は、エリートコースで受講してきました。多分、多くの社会人クライマーはエリートクラスに分類されると思ったので。

レッスンは以下のような流れで行われていきます。

  • ライフキネティック
  • ボルダー
  • 長モノ
  • 筋トレ

ジュニアコースとエリートクラスでの大きな違いは、内容が基礎的なものか応用編であるか、レッスン自体の強度が強いか弱いかというところでしょう。

聞いたところによればジュニアクラスはキッズやユースあたりの子達を意識したクラスで、基本的な体の使い方や、基礎となる体幹周りのトレーニングにフォーカスした内容だそうです。クライミングを初めて間もないけどもっと効率よく上達したい!と思っている方は多分こっち。エリートコースはそこからさらに発展させて、コンペや外岩で今以上に登れるようになるための内容。ボルダーも長モノも強度高めで、トレーニングもかなりしんどい。

 

ライフキネティック

そして何より特筆すべきなのが、ライフキネティックという『誰でもできる簡単な動きを通じて脳に刺激を与え、脳機能の向上と神経の伝達機能強化を促すことで、潜在能力を最大限に引き出す』というトレーニング。

トレーニングというと身体的な負荷をかけるものを想像するかと思いますが、これは体を動かす脳トレのようなもので、感覚的には脳を活性化し頭と脳のラグを減らすトレーニングですね。お手玉のようなものやボールなどの器具を使い、かつそれを脳みそフル回転で行うトレーニングで、身体強度的にはアップくらい。しかし与えられる課題に対してどのように体を動かしていけばいいのかをひたすらに考えて、脳をこれでもかとフル稼働させるので、脳にはかなりの高負荷をかけるトレーニングになります。どのように行っていくのか簡単な説明を受けながら、いろんなバリエーションをこなして、全メニューが終わった頃には1時間くらい経過していました。終わる頃には体はすっかり火照って、脳は激しく糖分を欲していました。とりあえず受講する際には、糖分(おやつ)は必須です。

 

ボルダー

その後はボルダーをメインに、アップをして、次第に強度を上げて、各々の限界グレードまで登ります。今回はモノリスで受けたので、左まぶし壁の強傾斜面をひたすら登ります。受講生の中でも多少のグレード差があるので、その辺は個人個人に合わせてハリーさんが即興で課題を用意してくれるので、他の人に着いて行けなかったらどうしよう的な心配は無用です。ボルダーで登り込んだ後は、長モノへ以降。

 

長モノ

長モノはベーシックな方と悪い目のものと2本が用意されていて、さらにそこから足限になったりと計4段階の強度調整もあります。1つ1つの課題が40~50手くらいで、テープなどは貼られていないので、第一関門はヨレ切った頭にそれを叩き込むことでした。馴染みのない壁で40~50手を覚えるというのは中々に骨が折れるもので、しかしそれでも覚えないわけにもいかないので、必死に集中してなんとか覚えてトライ。ひたすらに足で荷重を殺して逃がしてやっても、中盤の折り返し地点であえなく撃沈。最近たまーに近所の古巣で長モノをやっていたのでもう少し登れるものかと思っていましたが、そう簡単にはいかないものです。そして各自落ちたところから再開し、なんとかゴールまでバラしたらちょっと休憩して再びスタートからトライ。落ちたらそこからまたゴールまでバラして繋げていくを繰り返します。長モノトレーニングが終わった頃には随分とヨレ切っていましたが、ハリーさんのトレーニングはここじゃ終わりません。

 

筋トレで追い込み

ここからさらに懸垂に始まり床上のトレーニングととことん体を追い込みます。この時点で頭も体も余力なし。しかしトレーニングは続いていく。何よりも鬼を感じたのが、限界を超えていく懸垂。最初の一セットは問題なくこなせますが、2セット目、3セット目と引き上げられなくなり、そこからハリーさんの補助が入り、本当に限界を超えた懸垂が始まります。こんなに辛い懸垂初めてやったわという感じで、もれなく2日以上残る筋肉痛に苛まれました。鬼のように辛い筋トレでしたが、実際1人でここまで追い込むのはかなり難しいと思いますので、指導のもとに筋トレを行うというのは中々いい刺激でした。

 

クライミングレッスンを受けてみて

冒頭でも少し触れましたが、レッスンを受けるにあたって講師の人柄はとても重要です。ものっすごい上から目線で来る人もいれば、温和のようで実はかなり我が強くて融通が利かない人も居ますし、思考回路のベクトルが違いすぎて何いってるのかさっぱり分からないとか、本当にいろんな人がいます。クライミングという共通言語を持っているのである程度は理解できるけど、キャラが邪魔して頭に入ってこないなんてこともしばしばあるわけで、こればっかりは人それぞれの好みによるところだと思います。ハリーさんの場合は人柄がとてもいいので、そのへんは一切心配いりません。気さくでなんでも相談できる兄いさんみたいな感じ。レッスンは大きく2コースに分かれていますが、そのコースの中でも受講生によってグレードやそれぞれに合った強度は異なるわけで、ハリーさんの場合それらを一人一人丁寧に調整しながらレッスンを行なってくれます。

このレッスンで初めて知ったライフキネティックというトレーニングは、文献や動画を見て見様見真似でやるよりも、資格を持った方(ここでいうとハリーさん)に教わるのが1番手っ取り早く確実です。実際受ける前はどれ程の効果があるのだろうかと疑問でしたが、その効果のほどは後日実感するに至りましたので、とりあえずそれは次項に回します。

また、登りこむトレーニングしても筋トレにしても、誰かの指導のもとで行うというのは普段のクライミングとは大きく違った刺激で、このクオリティのトレーニングは1人で行うのは難しいので、それだけでも参加する価値はありますね。

 

レッスン後のクライミング

さて、実際にハリーさんのレッスン、もっと言うならライフキネティックを受けてどの様な変化を感じられたかといえば、1番大きな変化として瞬間的な動きの中での体感時間が伸びました。

例えば登っていてデットやダイナミック系の瞬間的な動きを行う際に、以前はほとんど目で追えずに思考とポジションで合わせていましたが、このレッスン以降明確に目で追えるようになっていました(動体視力の向上)。それに加えて頭と体のラグが減ったようで、それらが組み合わさって今までよりもデットやダイナミック系の動きの最中の、瞬間的な体感時間が随分伸びていることを実感しました。本当にデットは面白いくらい止まるし、左右で異なるパワーの調整などのコツが掴めたのでダイナミック・コーディネーション系も以前より苦労せず合わせられるようになって、とりあえずライフキネティックのトレーニングは続けようとお手玉を購入。お手玉なら自宅でなど場所を選ばずにできるし、やり方の基本概念さえ掴めばあとはひたすらに考えて工夫して行えるので、目下教わったことをベースに試行錯誤中。また、クライミングの際もアップの仕方の意識が大きく変わり、ライフキネティックで学んだ考え方をベースに左右で異なる出力を意識してみたりと、脳への刺激を意識するようになりました。

レッスンを受けて一ヶ月と経っていないですが、最近は随分上がり調子なのでいい感じです。ここ1~2年は1〜2級くらいをその時の調子や課題の相性で彷徨う感じで停滞していましたが、レッスン以降ベースが1級に寄って来たんじゃないかと感じています。登れるようになるのがこんなにも楽しいものかと久々に感じたように思います。

 

クライミングレッスンまとめ

今回ハリーさんのレッスンを受けて、身体強度・運動強度を高めることばかりがトレーニングではないことを、改めて実感しました。身体の感覚をよくするだけでも随分登れるようになります。しかしながら単発で受けてそれを持続するのは難しいので、継続的な受講が一番なんでしょうね。ちなみにレッスンは以下のような感じで受けられます。

  • ジュニアコース:月2回/16000円(追加レッスン5000円〜)
  • エリートクラス:月2回/20000円(追加レッスン6000円〜)
  • ライフキネティックのみ:1時間1500円(税込、ジム利用料別途)6歳くらいから

 

いずれも土曜・日曜・祝日の中で2回開催なので、日程も合わせやすくていいですね。全て予約必須。

なんだったらライフキネティックだけでも参加したいくらい。

詳しくは以下のサイトでご確認いただけたらと思います。

芝田将基(ハリー)さんのクライミングトレーニング・レッスン

 

最後に、ユースからコンペティター、岩場やジムダラー、もっと言えばリードの人まで、つまるところ今よりも登れるようになりたいと思う全ての方に声を大にしてオススメしたいレッスンです。是非、ハリーさんの方へ問い合わせて実際にレッスンを受けてみてもらえたらと思います。

それでは皆さん、またお会いしましょう。

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