第34回は東京都調布市に新しく出来た『DOGWOOD 調布店』を紹介していきます。
クライミングジムDOGWOOD-調布店-
DOG調布店はもう皆さん言わずとも聞かずとも多くの人が知っていることでしょう。なんだったらけっこう行った人いるんじゃないですかね。オープン前にSNSで公開された壁は誰しもの目を惹き、オープン後SNSではほぼ毎日動画や写真を見掛けていました。インスタでDOG調布のタグやらスポットで検索すれば凄い量の投稿がみれますし、それほど多くの人がこのジムに注目し、遠征に訪れたのでしょう。なかなか行けない私はそれをずっと恨めしい気持ちで見ていた訳です笑
本当はソムリエ的にもう少し早く訪れる予定だったのですが、周りの注目度も高くオープンして暫くは結構混んでいる様子だったので、課題をちゃんと楽しみたい一心でこんなに遅い来訪と紹介になってしまいました。
普通遠征後1〜2週間後に記事を上げるのですが、今回はオープニングセットが来週には消滅してしまうとの事なので、特急仕上げにて紹介して行きます。
では早速はりきっていきましょう。
- 店舗の大きさ:大きい
- 壁の高さ:高い
- 課題数:普通からやや少なめ
- 課題の傾向:ムーブ・ダイナミック系
- グレード感:ちょっと甘め
店舗の大きさ
店舗は驚く程広い。店内入って直ぐに壁があり、まるで海外のジムの壁を見ているかのような気分でした。壁に惹き込まれるような感じがしましたし、かなり感動的な壁。写真で見るよりも遥かに綺麗で魅力的でした。
クライミングウォール
壁の形状は複雑だし、高さも十分にあるし、奥行きもあり一階のエリアだけでもかなりの規模。それに加えて2階のエリアの広大さがまたすごい。男子更衣室が2階の奥にあるのですが、休憩エリアと更衣室の間に1階と同じくらいのエリアがあり、最初はその広大なエリアが更衣室かと誤解しそうでした。今はまだ何もありませんが、今後の展開が気になって仕方有りませんね。一階だけでもかなりの規模なのに、まだまだその全容が見通せない感じがまた堪りません。
壁の高さは普通より高めです。高津店よりも高さがあり、強傾斜のトップから降りると少しだけ「あ、高い」と恐怖心が芽生えます。まぁ大概無視して飛び降りるんですけどね。
調布店は『αGELマット』を全面に導入しており、これがとても良かった。私が訪れた事がある中ではFLATのガレージのマットがこれだったのですが、正直それほど大きな違いがわかりませんでした。調布店程高さがあるとその差は顕著で、着地の際の膝や腰への負担が大幅に軽減し、ある程度の剛性がありつつも衝撃を吸収してくれる柔らかさがあるので着地姿勢に無理がなく、トップから飛び降りても体が楽でした。どこに着地しても硬さが均一であり、着地ポイントを考えなくてもいいと言うのはほんとにストレスフリーでよかった。調布店を訪れた次の日に別のジムで登っていたのですが普通のマットだと柔らかさにバランスを崩し膝をついてしまうような事があり、『αGEL』マットの有能さを痛感しました。皆さんも是非訪れた際にはその辺にも意識を向けて登ってみてください。けっこう感動的ですよ。
課題数
課題数はラインセットということもあり普通からやや少なめといった感じ。各グレード十分な本数がありますが、グレード感がやや甘めなので中上級者は結構さっくり上のグレードまで触り尽くしてしまうでしょう。普段1・2級らへんを触る私で、下から全部触って大体の4〜5時間で一通り触りつくせる感じでした。混んでいるのが嫌で平日に行って激打ちの限りを尽くしてそれなので、休日にいけば一日十分に楽しむ事が出来るかと思います。逆に初中級者の人にとってはやや少なめとなってしまうかな。まぁそんな事気にせず、兎に角楽しいので行って来てください。
課題の傾向はDOGWOODらしく体の使い方重視のバランス系といった感じ。その上で壁が大きいのでムーブも大きくダイナミックなものが多かったように思います。ダイナミックといえど決して雑に行ってはいけないホールドの向きやチョイスが秀逸でした。ちょいちょい思い切りの重要な一手が要求されるので、コンペシーズンに向けたトレーニングにも最適ですね。ラインセットかつ動きが大きいので、高津店と課題の雰囲気は全く違います。これは好みが分かれるところであるかと思います。ぎゅっと濃縮された高津店のほうが好きというのも分かりますし、このハイクオリティなラインセットを思う存分楽しめる調布のほうが好きというのも分かります。私はどっちも好き←優柔不断。またスラブは安定のDOGWOODクオリティでした。やっぱり楽しすぎるし、高津に通じる雰囲気を感じました。
あくまで個人的な感覚ですが、登っていてすごく気持ちよく動ける距離感というか課題の傾向でした。単純に相性がいいとか、初の調布店にテンションがあがりスイッチが入っていただけかも知れませんが、身体が喜ぶ課題ばかりでした。そこで調子に乗って阿保みたいに登り込んだら筋肉痛と指の痛みがヒドイもんでしたが笑
写真を見ていただけると分かるかと思いますが多面が実に複雑で、それを巧みに利用した課題ばかり。しかも壁の変わり目がニュアンスよりもやや強めくらいの角度になっていて、この微妙な変化が絶妙でした。多面の変わり目の角度が強過ぎても壁の弱点が大きくなてしまい似たような課題が多くなってしまいますし、弱過ぎても多面である意味が消えてしまいます。調布店の壁はそのバランスが非常によく、適度な弱点がありつつそれが壁や課題を殺さない絶妙な仕上がりでした。
グレード感
グレード感はちらっと前述しましたがやや甘めでした。オープニングセットという事もあるのか、相性のせいなの、感覚的には普通から半グレードほど甘めといった感じ。甘めとは言えどどの課題もきちんと各グレードの要素を内包していて、登りごたえは十分。きちんとムーブを大切に動いていかねばならず、登れば登るだけ身になるなと。甘めって言ってたしなーと軽い気持ちで挑んだら跳ね返されてしまうことでしょう。
最近は辛いジムばかりだったので、久々のメンタル補強にもなりました。半年くらい前まではどこのジムがというわけでもなく都心部のジム全体として甘めなグレード感でしたが、ここ最近は引き締めが強く、メンタルをボコボコにされることも増えました。まぁここまで言っといてなんですが、モチベーションだけならメンタルボコボコにされたほうが上がると思うんですよね。随分とマゾクライマー的な発想かとは思いますが、コンペで全然登れなかったり、遠征でさっぱり課題が落とせなかった方が悔しさで私はモチベーション上がります。登れたら素直に嬉しいですけどね。
所感
さて、脳みそもずいぶん空っぽになってしまったので、さっくり続けましょう。
壁はなんと国際ルートセッターの平嶋元さんによる設計。もうそれだけでアツい。ずっと課題を作りセットと向き合って来た人達だからこそ考えつく壁は普通のジムとは一線を画するものでありますし、そしてそこに平松さんをはじめとした豪華セッター陣の課題があると言ったらもう、行かないわけには行きません。平嶋さんの設計した壁などそう触れるものではありませんし、平松さんの課題もFLAT以外ではコンペくらいしか触れるものでもありませんから、今回のセットは必ず行くべきです。まだ触りに行ってない人は、明日明後日何が何でも予定をこじ開けて行くべきです。このセリフを言うためだけに今回超特急にて記事を書き上げていると言っても過言ではありません。おかげで脳みそ空っぽ寸前です。普段のんびりやっているせいか、こう言う場合全く集中力が続きませんね。でももう少しなので頑張ります。
また来週の18日〜20日でCRUXの清水さんとあやりさん迎えた全面ホールド替えがあるので、こちらも見逃せません。今年の頭に初CRUXに行って来たわけなのですが、もう純粋に素晴らし過ぎた。どれもこれもハイクオリティな課題ばかりで、なおかつ見た目からモチベーションを刺激してくるよな課題
と、ここで書きまくっても長くなってしまいますので、気になる方は以前の記事を読んでみてください(長いけど)。調布店のこの壁でCRUXテイストが炸裂したら一体どんなことになるんだろうと、今から想像するだけでもワクワクが止まりません。
編集後記
さて、もう限界です。
頭がちっとも働きません。気合いでなんとかここまで書き上げましたが、もう今日はこれ以上出てきません。いきなり脳を酷使したせいか急激な睡魔に襲われております。今回ここで書ききれなかったことは、また次回のセットに訪れたときに書かせていただきます。
兎にも角にも私から皆さんにお伝えしたいことは、明日明後日無理してでも行って来てください。もうそれだけです。このオープニングセットを触らないのは勿体無さ過ぎます。
それではみなさん、またお会いしましょう。