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クライミングジムKorupikiのご紹介

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皆さんこんばんは、ソムリエです。

第53回は『Korupiki』を紹介します。

ついに沖縄編最終回です。やっと、やっとここまできました。長い日々でした。毎日毎日沖縄のことを思い返しながら書く日々も、とりあえずこれでひと段落です。正直なところ、実際に沖縄を訪れるまで沖縄という地域にあまり惹かれてはいませんでした。有名な観光地という程度の認識。でもいざ行ってみたらどうでしょう。今すぐ沖縄に戻りたいくらいの気持ちです。喧騒から離れて、のんびりとした心地の良い時間が流れるあの雰囲気の中に戻りたい今までメンタル的にハードルの高かった飛行機を使えるようになったので、今度から年に1回は沖縄行こうかなと本気で検討しているくらいです。

さて、与太話はこの辺までにして本題に入りましょう。

 

クライミングジムKorupiki

今回紹介するKorupiki(以下コルピキ)は、沖縄の中では1番辛いと言われるジムで、空港から30~40分ほどと近いので遠征候補の1つに上がると思います。毎年内地からセッターを呼んでセットしているので、SNSで見たことあるという方は多いのではないでしょうか。沖縄では唯一、生粋の『うちなんちゅ』のオーナーさんが営業するジムです。本島に5つあるジムのうち2番目に新しいのですが、沖縄色がかなり強いジムであります。

ではでは、今回もはりきって紹介していきましょう。

クライミングジムKorupiki(コルピキ)

店舗の大きさ:普通

壁高(壁について):普通か少し低め

課題数:多い

課題の傾向:頑張る系

グレード感:普通から辛め

 

 

店舗の大きさ

店舗は普通か、やや広めといったところ。クライミングスペース広々、レストスペースも広々しています。レストスペースにはトレーニング器具が豊富に揃えてあり、短時間で効率よく追い込めること間違いなし。そしてこちらにも懸垂ロープがあります。多分普通だったらこの懸垂ロープはそれほど気にならなかったのでしょうが、ボルバカにもあったんですよ。で、オズの紹介の際にも触れましたが懸垂ロープがあるジム自体珍しいので、そんな珍しいものをなんでこんなによく見かけるのだろうと不思議に思ってしまいました。聞けば沖縄はトレーニング好きの方が多いそうで、そんな地域性を反映したものでもあるのでしょう。

受付の先には『修行部屋』と呼ばれるオールドスクールなエリアがあり、その先に更衣室があります。この修行部屋も相当イカしたエリアで、160度のルーフにボルダリングマットが敷かれるだけの簡素な作りで、エアコンなし。今やどこのジムにもエアコンが導入され年がら年中比較的快適に登れる時代ですが、昔ながらのこの無骨な雰囲気が堪りません。クライミングの世界に浸かってまだ5年と日が浅い若輩者としては、この無骨な雰囲気に憧れにも近い何かを感じてしまいます。ひたすら目標のために、ひたむきに登りこむ姿やその環境・雰囲気が、とにかくカッコいい。上手く表現できたかは分かりませんが、こういう無骨な感じが良いと思える人には堪らなく格好良く見える空間です。

 

クライミングウォール

壁はマット下から4.3mあるので、写真の見た目と実際の印象は結構違っていました。写真などで見る限りそんなに高さがないのかなと思っていたのですが、実際壁を目の前にしてみると十分高さがあるんだなという印象。特に奥の強傾斜付近は結構高さを感じます。

壁の構成は、入口側から垂壁・スラブ・垂壁・105度・115度・120度・130度とバリエーション豊富。また天井付近の梁にも壁がつけられ、よく見ると左右非対称というユニークな形状。ボテのような一面も兼ね備えており、その特性を活かしたホールディングがあったのも印象的。壁として捉えるべきなのかボテとして捉えるべきなのか非常に悩ましく、不思議なものがあるなとずっと見ていました。

入口近くの大きい垂壁には上部に段差があるので、垂壁の見た目をした薄かぶりのような壁でした。しかも上部に段差があるためか、急に狭い動きになったりと課題の表情が大きく変わるので、それらに翻弄されるのもまた楽しい。

入り口から見て左奥のエリアには105~130度が揃っているので、そこら辺のレストスペースに居座ると移動せずに4面を堪能できるので、なんだかんだそのにずっといました。130度で疲れたらだんだんと傾斜を緩くして、ある程度体幹が回復してきた頃に再び130度に戻る。実際、かなり登りやすい環境でした。同じ場所から4つの壁を選択できるので、強度の調整がしやすい。もうちょい突っ込んでいえば、ヨレた部分にそれほど負荷をかけない課題を選択しながら登り回せるので、ずっと登っていられる。まぁもちろん指とか肩とかはヨレますけどね。

 

課題数

コルピキでは年に一回ほど全面ホールド替えがあり、そこから壁ごとにホールド替えをしたり、テープ課題を追加したりするので、課題数はテープ課題だけでもかなり多めです。その上ファイル課題などが豊富にあるので、課題が足りなくなるということはまずないでしょう。ファイル課題の方にも手をつけようと思っていたのですが、どうにもそこまで体力も気力も持ちませんでした。無尽蔵な体力が欲しいものです。もし一日登れる時間があってここにきたら、課題に困るということはまずないでしょう。

 

課題の傾向

課題の傾向的には、アングラに近いものを感じました。ムーブはよく練られていて、ポジションやバランス感は綺麗に纏まっているのですが、その強度自体が高いのでテクニックだけでは誤魔化しきれず、結果頑張らなくてはならない感じ。貧弱系クライマーなのでどうにか小手先で誤魔化そうとするのですが、楽な道を探っていくと、どうにも頑張っていくのが最善なのだと思い知らされるのです。多分アングラが好きな人はこの感じ好きだと思います。

課題のジャンル的に言えばダイナミックなものはもちろん、真っ向・バランシー・テクニカル系と一通り揃っていました。コーディネーションは見たところ少なめでしたが、それは他所でやればいいというものです。シックにクライミングに興じたいという方は、間違いなくここです。個人的にはここの課題の雰囲気はすごく好きです。これぞクライミングって感じがして、充実感がとてもあります。

 

グレード感

地元の方や他のジムの方から聞いた話だと、沖縄のジムの中でも1番辛いグレード感をしているとのことでした。実際ソムリエ基準から見れば、普通から少し辛めくらい。ボルバカ2と比較すると課題の傾向が異なるので感じ方はいくらか変わりますが、だいたい同じくらいかと思います。このくらいのグレード感の方が登りごたえがあって調子いいですね

 

編集後記

コルピキは北谷町という外国人の方が多く住んでいる町にほど近いので、ジムのお客さんも外国人の方が結構多いです。なんだったら訪れた直後はほとんど外国人の方ばっかりで、海外のジムにでも来ちゃったかなという感じでした。猛烈なアウェー感。しばらくすると日本人が増えてきて、少し安心。割と早い時間から常連さん達が来始めるので、そこで初めてスタッフ以外の地元のクライマーとお話することができました。みんな気さくで良い人たちばっかり。そこでジムの近くにある『うみちか食堂』という定食屋を教わり、ソーキそばを食べてきました。やっぱり美味しいご飯は地元の人に聞くのが1番ですからね。また沖縄の話をたくさん聞けるのでとても刺激的でした。

コルピキではボルバカ同様に、会員登録システムがありません。時間制後払いシステム。しかも1日登っても1500円ポッキリという超良心価格。普通初めて行ったジムで登るときは初回登録料合わせて3000円前後かかりますから、この値段は驚きです。そして今のところ定休日なしで営業していますので、旅行中突発的に行こうということになっても営業しているので、とても安心。

紹介した沖縄のジム3件のうち、最も沖縄らしい雰囲気を感じられたのはコルピキでした。書いていて『沖縄らしい雰囲気』とは一体なんぞやとも思うのですが、私が思う『沖縄らしい雰囲気』とは『海の気配を感じるのんびりとした空気』という感じです。上手く表現できないのですが、海の近くって独特の雰囲気があるじゃないですか。空がいつもより高く感じるような、空間が抜けているような感じ。波の音もしないし潮風の香りも分からないし、直接は見えなくとも、あの先に海があるんだと分かる不思議な感覚。実際コルピキから少し歩いたところに海があるので、レストがてら海を眺めに行ってもいいでしょう。また沖縄では喧騒から少し離れると本当に時間の流れがゆっくりになるんです。まぁ実際はそんなことないんですけどね。体感する時間の流れは本当にゆっくりでした。この『海の気配』と『のんびりした時間の流れ』が組み合わさると、沖縄らしい雰囲気になるんじゃないかと思います。

ジム自体は古き良きクライミングジムという感じで、人の温もりがあって、ひたむきにクライミングする熱気があって、忘れていたクライミングの魅力の1つを思い出させてくれます。そんなジムの雰囲気と沖縄の雰囲気が組み合わさると、なんとも言えない居心地の良さがあるのです。それに浸りながら登ったり休んだりと、何にも喩え難い素敵な時間を過ごせました。夕方くらいに外でレストしていようものなら、あまりの雰囲気の良さにこのままビーチに行ってお酒飲んじゃおうかなと本気で悩んでいました。まぁ結局ソーキそば食べに行ったんですけどね笑 それなので、沖縄の雰囲気も感じたいしクライミングもしたいという方には、打ってつけのジムであります。

余談ではありますが沖縄滞在中、よく海を見ていました。自分でもこんなに海好きだったかなと思うほどに、事あるごとに立ち止まり、ただのんびりと海を見ていました。今にして思えば、その沖縄の雰囲気がすごく心地よかったんだと思います。

 

今沖縄編はとりあえず今回で一区切りなので、一応私が把握した限りの沖縄(特に本島)のクライミング事情などについて簡単に触れておこうと思います。

本島には現在5つのジムがあります。古い順に、コーラルロック、ボルバカ1、ボルバカ2、コルピキ、Banjat。はい、ソムリエさんコーラルロックに行っていないんです。今あるジムの中で1番歴史あるところに行かずして何をしているという感じですが、結構悩んだ末の決断でした。SNSなどでジムの様子を伺うと、コーラルロックの外には切り出された大きな岩があり、それを削って課題を作っているので、かなり特色のあるジムであることに間違いありません。ですが、これ晴れてないと触れないじゃないですか。多分。晴れてた場合ほとんどのクライマーは具志頭行くのではないかと思い、今回は諦めることにしました。けれども最近になって行っておけばよかったと反省しています。多分来年も沖縄行くと思うので、その際に改めて訪れようかと思います。

沖縄のジムはその多くの場合、年に一回コンペなどで全面ホールド替えが行われます。その後はボルバカのようにそのまま1年営業したり、コルピキやBANJATのように少しずつ変えたり様々です。そしてその全面ホールド替えの際に、結構内地のセッターを呼ぶので、案外地域による癖というのはありませんでした。地方に行けば地域性とも呼べる独特の雰囲気がある『はず』と思っていたのですが、いざ登ってみるとそうでもないんですよ。ジムごとに違いはあれど、ジムとしての特色やセッターとしての癖という感じで、『地域性がある』とくくれる程の共通点はありませんでした。思うに内地のセッターが多く入っているというのもありますが、沖縄におけるクライミング文化がまだまだ成熟の過程にあるのでしょう。もう何年かすれば、沖縄の癖が出てくるかもやしれません。

あとびっくりするぐらいジム間の仲がいいんです。なぜ他所のジムのスタッフのシフトを把握しているんですか。しかも一人二人どころじゃなく、結構みんな把握してる。実際の距離もそこそこ近いですが、それ以上にジム同士が近いんだなと感じました。ギスギスさなんて微塵もなくて、ゆる~い雰囲気がとても印象的。

さて、いろいろ脱線しながらの話でしたが、如何でしたでしょうか。課題やジムの雰囲気ともにすごくいいジムだったので、沖縄に訪れた際は是非足を運んでいただければと思います。私の筆が遅いあまり、全面ホールド替えに間に合わなかったので、現在は写真とは異なるセットになっております。今回はノブさんに一宮さんや波田くん、渡邊悠太君がゲストに入っていますので、このセットが残っているうちにまた訪れられればと思います。

それでは皆さん、またお会いしましょう。

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