皆さんこんばんは、ソムリエです。
第41回は山梨県甲斐市にある『ボルダリングジム Grappa』を紹介していきます。
クライミングジムGrappa
ここもずーっと行きたいなと思っていたジムなのですが、小川山や瑞牆が程近く、そこまで行ってジム行くのかよ!という自分がいて、罪悪感にも似た感情がぬぐいきれず中々もう一歩を踏み出せずにいました。今年は奇跡的に連休のお盆休みが取れたので、夏だしこれはチャンスだと行ってまいりました。
と、今回から項目や記事の構成について見直しをしようかと思います。項目や記事の構成なんかは立ち上げ当時のままですし、ちらほら思うところがありましたので、そろそろ直していこうかなと。
では早速紹介して行きましょう。
- 店舗の大きさ:大きい
- 壁高(壁について):高め
- 課題数:普通かやや少なめ
- 課題の傾向:外岩チック
- グレード感:辛めか普通くらい
店舗の大きさ
店舗は結構大きくて、クライミングエリアもレストエリアも広々としていて、綺麗でとても快適な空間でした。業務用のエアコンが2機導入されており窓もないので、結構涼しいのも印象的でした。待機スペースにはマットを利用したような、4人くらい座れそうな巨大マットクッションもあり、個人的にはそれが中々熱いアイテムでした。フカフカで落ち着く。
今回よりこの項目を壁の高さというより、壁の高さを含めた壁についての項目にしようと思います。上はさっぱりと高さだけにしますけどね。
クライミングウォール
壁高は基本的に4.5mと高め。傾斜がある壁の上部で振られると、予想以上に回転が続き思いもしない着地態勢になったりして、ヒヤッとする事もちらほら。まぁそんな落ち方してる私が悪いんですけどね。壁の構成はスラブが2種類、垂壁、うすかぶり気味な凹角、強傾斜、Byoubuと呼ばれるハイルーフ、Drumと呼ばれるルーフの深い多面壁となっております。
スラブは面一のスタンダードな壁と、三角スラブと呼ばれる多面スラブがあります。三角スラブは多分写真を見てもやや分かりにくいと思うのですが、三角形状に区切られた部分が前面に突き出た形状をしており、今までに遭遇したことのない形状でした。
この形状のスラブパートで足を滑らせたらどうなるのだろうと想像するとより一層緊張感が高まるので、中々スリリングなスラブを味わう事ができます。最近自覚したのですが、スラブって怖いくらいの方が面白いですよね。足滑らせたら下のホールドに顎撃ち抜かれるみたいなスリリングさが楽しい。まぁ幸い今までそれが現実になっていないので面白いと感じていますが、いつかやると思うし、やったらきっと考えは変わると思うんですよ。でもスラブ好きの人は、何と無く分かってくれると思う。
Byoubuと呼ばれるハイルーフは、私の知る限りもっとも垂壁パートの長いハイルーフでした。ボルダーズのBLOCのように足が切れてもマットにつかないくらいのハイルーフはちらほら見かけますが、これほどに垂壁パートが長いハイルーフは稀じゃないでしょうか。体感3〜3.5mくらい垂壁パートが続き、その先に短めのルーフがあり、そこからの緊張感が堪らなく面白い。また形状を生かした独特なバランス感や動きを要求されるので、その辺も刺激的で、個人的に一番お気に入りの壁でした。
課題数
ラインセットだけ見ればやや少なめ。後述しますが、課題のテイストが強めなので、このくらいの本数で結構満足できます。全部触り切ってしまったという場合には面一の強傾斜にまぶしがあるので、しっかりと登り込んで追い込んで変える事が可能です。
一つ一つ課題を堪能するにはこのくらいの本数が丁度いいのかなとも思いました。また2週間おきにホールド替えが行われるので、十分すぎる本数なんじゃないかとも思います。
課題の傾向
外岩チックと言いましたが、何と無くしっくりはきていません。
全体的に動きのクセが強く、登りにくいのかなという印象。個人的にはそういった課題の方が得意なので、比較的登りやすいなーというのが正直なところでした。分かりやすい例えでいえば、何処と無くMabooに近いジャンルの課題。
でもMabooと似ているかといったらそうではないと思うんですよね。確かにジムの雰囲気も課題の雰囲気も近いところはあるのですが、地域性もあるのか、ずっと色濃く外岩の要素を感じます。
それは保持感であったり、ホールドのチョイスであったり、バランス感であったりするもので、この場でここが外岩っぽいとも表現しにくいのですが、そういった一つ一つの要素が重なって、あぁ外岩っぽいなと感じるのかなと。外岩の雰囲気とジムの課題としての要素がいいバランスで作られており、それが今ままで訪れたジムにはないもので、とても刺激的で面白かったです。
グレード感
低グレードが辛め、上のグレードになるにつれ普通くらいかなという印象。低グレードに関しては相性とか関係なしに結構辛めでした。単純に悪かった。アップがてら低グレードから触り始めたら、ちらほら落ちたり頑張ったりしてしまったので、序盤はヒイヒイいっておりました。高グレードになってからは多少の動きにくさはあるものの、フィーリングが合うのか動きのイメージがすんなりできたので、比較的調子よく登る事ができました。ポジションで登るのが得意な人は、結構登りやすく感じるんじゃないかと思います。
また2週おきにホールド替えが行われるので、たった一回の往訪でそのジムのグレード感を掴めるなど思ってはいません。私が訪れた時のグレード感はそんな感じでした。
最近思ったのですが、ある程度グレードが高くなってくるようになると、どうしても高グレードの課題に取り付いている時間って長くなると思うんですよ。その結果、高グレードの方が動きや強度に慣れていて登りやすいと感じるのではないかという、仮説をたててみました。
というのも、1・2級は出来たけど3級できないみたいな事が続きまして、そんな事思ったんです。まぁ、私の指が人並み以上に弱いってのはありそうな可能性ですけどね。
店長の完璧なインストラクション
上記以外の点では、クライミングからは少し話が逸れますが、店長さんの初回インストラクションが完璧だったのが、とても印象的でした。クライミングジムといってもそれ以前に運動施設ですし、お店じゃないですか。オーナーやスタッフさんがいて、お客さんが登りにくる。
初めて訪れるジムではどうしても『早く登りたい』というお客さんの気持ちはあるでしょうし、同じクライマーとしてその気持ちはわかると、要点だけ伝えてハイどうぞーみたいなところもあったりして、それが良い接客と思うかも悪い接客と思うかも色々あるでしょう。
とりあえずこの場でその話は無視します。ただ兎に角言いたいのは、ここの初回インストラクションは間違いなく完璧でした。ジムとしてお客さんに伝えることは全て伝えながら、早く登りたいクライマーの気持ちを尊重しつつ、非常に丁寧で非の打ち所のない完璧なインストラクション。ジムスタッフじゃないけど、素直に感心してしまいました。
課題のくせも強く、味わい深い課題が多かったので、とても楽しむ事ができました。そして何より、店長さんとは初対面だというのに随分と話し込んでしまいまして、登り行ったのか話にきたのかわからない感じになってしまいました笑 基本的に私おしゃべりな方なので、つい話し込んでしまうジムって好きなんですよね。
編集後記
さて、今回はマトモにまとめられたんじゃないかと思います(多分)。
小川山や瑞牆が近くにあるのでそれを無視してでも行くべきだ!なんてクライマー的に言えないんですけど、雨に降られた時や近くまで来た時にはぜひ足を運んで見えください。都心では感じることのできない独特の雰囲気を持った課題が迎えてくれるはずです。
それでは皆さん、またお会いしましょう。
※P.S まぶしの写真撮り忘れてました。その辺はご愛嬌ということで…