皆さんこんばんは&お久しぶりでございます。ソムリエです。ネタを切らしてのんびりしていたら、のんびり気分が抜けずに長々と空いてしまいました。
さて、第44回は『B-PUMP 横浜』を紹介しようと思います。
ボルダリングジムB-PUMP横浜
9/8にリニューアルオープンし、壁がすごく魅力的だったので惹かれるままに行ってまいりました。まぁちょっとした余談なのですが、リニューアル以前からソムリエ的に行かなきゃいけないジムだなーとは思っていたのですが、タイミングを伺っているうちに気付いたらリニューアルしてしまいました。無念です。リニューアル前に行っておきたかった…。中々にコアなジムだという認識だったので、それを一度味わっておきたかった! ここ最近そういう場面に出くわすことが何度かあったので、これからは行きたいジムにさっさと行くことにしましょう。フットワークもより高めて行かねばなりませんね。
さてさて、余談はこの辺までにして早速紹介に入りましょう。
- 店舗の大きさ:普通から大きめ
- 壁高(壁について):高い
- 課題数:普通
- 課題の傾向:ムーブ系
- グレード感:普通
店舗の大きさ
店舗は二階建てになっており、木をモチーフにした居心地のいいデザインでした。一階は地層をイメージし、螺旋階段が幹のように上へと伸びて、木の上に2階が乗っているような感じ。2階の天井には木漏れ日が差すようなオブジェがあり、必見です。ジムにあるとは思えない規模と美しさ。ジムのロゴと良い、センスの高さを感じます。
1階は緩傾斜がメインで、クライミングエリアの他に広々としたレストスペースがあり、端っこの区切られたエリアでは充電も可能。しかも受付で充電器の貸し出しをしている太っ腹ぶり。ここのように大々的に充電okと言ってもらえると、すごく助かります(実際、充電していいですかとか聞きにくいですし)。またアイシング用の台があったりと至れり尽くせり。
2階はメインウォールの他にトレーニングエリアとストレッチエリアを兼ねた広々スペースがあります。正直訪れる前までは少し狭めなのかなと勝手に思っていたのですが、全然そんなことありませんでした。トレーニングエリアも3~4人は同時にできそうでしたし、ストレッチエリア的なところもさらに広く、こんなに広いジムだったんだと思わされました。
クライミングウォール
ちらっと前述してしまいましたが、改めて壁について話しましょう。
1階はそれほど高さもなく緩傾斜がメインの構成。壁高も4mないくらいで、初心者にも安心な高さ。垂壁から薄かぶりスラブと一見ビギナーウォールかと思いますが、全然そんなことありませんでした。普通に1級や初段まであり、それ以下のグレードも遠慮なく悪かった。終わり際にクールダウンのつもりで1階の課題を触り始めたら、全然クールダウンにならんのですよ(クールダウンと言いながら2級前後を触っているのが何よりの間違い)。緩傾斜だし足で登っていけばなんとかなるかなーと思っていたら、かなり腕が張りましたし、クールダウンのクの字もありませんでした(自業自得)。
まぁでも仕方ないじゃないですか。クライマーとして目の前に面白そうな課題があったらどんなにヨレていようとも触っちゃうじゃないですか。一番奥にかなり広い大スラブがあり、スラブ好きも満足できる構成でした。大スラブ右面には絶好のインスタスポットがあるので、そこも要チェック。やはり休日だと子供達や初心者が多めの壁なので、多分夕方付近になれば落ち着いて触ることができるでしょう。課題をちゃんと選べばアップやクールダウンにちょうどいい壁ですが、それを忘れさせるような魅力的なラインがいくつもあるので、その誘惑には要注意。
twistと名付けられた2階の壁は、1階とはうって変わって結構高めの壁でうす被りから強傾斜までが一つに繋がっております。名前の通り途中強傾斜付近で緩やかに傾斜がきつくなる形状になっております。低いグレードではあまり上部まで行きませんが、1級や初段くらいからのゴールの恐ろしさ。所々梁が通っているので、何かミスったらこれにぶつかるんじゃないかという他にはない恐怖感。落ちそうな時に間違ってもあの梁を触ってはいけないと思うんですよね。きっと変な方向に吹っ飛ぶ気がする。あと驚いたのがこの梁にホールドが付いていたりするんですよ。気付いた時はそこに付けちゃうんだと中々の衝撃を受けました。また多面的要素がいたるところにあり、一癖も二癖もあるような課題がありましたし、今後も沢山生み出されることでしょう。
そして横パンの何よりの魅力が壁の目の前のレストスペース。他のジムではまず見かけない構造で、まぶし壁以外の全面の前に背もたれ付きの椅子があるのです。しかもクッション付きという快適性の高さ。これが最高に良いんですよ。基本的に待機するときは壁の前で体育座りが基本のクライマーにとって、背もたれ付きで座れる場所があるというのは最高だと思うんですよね。しかも角度も直角でダラダラし過ぎないところがまた良い。壁との距離も程よく、集中して課題と向き合うことができます。95度付近は後ろに吹っ飛ぶとやや怖いですが、強傾斜付近はかなり快適です。壁の形状や環境を含めて、完成度の高い空間に仕上がっていました。これほど快適にクライミングに集中できる空間はそうないでしょう。また2階は一体的なエリアでありながら、高低差によりメリハリがはっきりしているのがとても良かった。
課題数
課題数はラインセットがメインなので普通くらい。普段遠征に行って1級が1.2本落とせるかどうかぐらいのグレード感の私で、ギリギリ触りきれないくらいの量でした。最初は2階だけで登っており、以外と少なめなのかなーなんて思いもしましたが、いざ下に降りてみたらまだまだ課題が沢山残っていて軒並み悪めだったので、帰りの時間を伸ばしてまで登ってしまいました。結果として丸一日登り続けても触り切ることはできませんでした。それなので遠征組的には十分な課題数はあるかと思います。
2階右奥にはまぶし壁がありますし、そのすぐ後ろにはトレーニングエリアもあるので、とことんトレーニングに興じることもできます。バリエーションも豊富で、強度の調整もしやすく、やりたいトレーニングが一通りできる充実さでした。トレーニング設備を一通り触って、今日はトレーニングして追い込んでから帰ろうと考えていたのですが、やりたい課題が結構残っていたので、トレーニングは諦めてひたすらに登ってしまいました。登ってる最中に腕が攣ったのは本当に久しぶりでした。それくらいに全力で登りこんでしまいました。日帰り遠征なら、トレーニング設備に触る余裕はないくらい登り倒せることでしょう。
全然関係ない話なのですが、最近キャンパボードとまぶし壁がマイブームでして、こんなに楽しかったのかとハマっています。以前より多少フィジカルがマシになって多少保持も上がったのか、130度で大分動けるようになってきて、以前よりも効率良くトレーニングができると結構ハマっているのです。またキャンパボードでの効果も少しづつ実感が湧いてきて、出先でも極力キャンパボードかトレーニングをして帰りたいので、トレーニング設備が充実しているとつい嬉しくなってしまうんですよね。
課題の傾向
課題の傾向は全体的にムーブ系と言えるでしょう。もうちょっと言えば、外岩っぽいムーブの多い感じ。前述した多面的要素をふんだんに生かしたような課題もあり、一癖も二癖もある課題が印象的でした。もちろん保持感強めの真っ向系な外岩っぽい課題もありと、バリエーション豊富。全体的にカチの出現率が高めだったかなと思います。ダイナミックな動きがある課題はちらほらありましたが、コーディネーションやランジ系の課題は、訪れた時にはありませんでした。これは多分壁やエリアの構成が影響しているのかと思われます。まぁ必ずないとダメって種類の課題でもないので、それほど問題にはならないでしょう。むしろ遠征組的には心の底から熱中できる、登りたいと強く思わせられる課題があるかどうかという方がずっと重要で、今回は何本もそう行った課題に巡り会うことができました。熱中した課題の中でも印象的なのが、強傾斜にあった黄色の2級で、両手にカチを持った状態から掛かりのいいスローパーをどうにかとめる課題だったのですが、それを何としてもサイファーでとめたくて、かなり意固地になってやってしまいました。苦手な強傾斜で、苦手なカチを持って苦手なサイファーであれをとめることができたら、一歩先に進むことができるんじゃないかと。そして何よりそのとめ方ができたらカッコいい(実際カッコ良くはならなかった)気がすると夢中になってトライしていました。全体的に足技が豊富で、いろんな要素が凝縮された非常にいい課題でした。訪れる機会があれば、ぜひ触ってもらいたい好課題です。
またパンプということでどうしても荻パンのイメージが強かったのですが、全然そんな雰囲気の課題ではありませんでした。荻パンのようにやばいフットホールドは少なめでしたし、足遣いやバランス感も全然違っていました。どちらかといえばPUMP大阪にどことなく雰囲気が似ているのかなとは思いました。これを言ってどれほどの人に通じるかはわかりませんが、とりあえず誰かに伝わるると信じて書き残しておきます汗 聞けば各店、たまにゲストが入るくらいで基本的にスタッフの方々でセットをするようなので、店舗ごとにテイストが異なるようでした。普段遠征してまでリードをやらないので、パン1やパン2に訪れることがなく、どうしてもパンプというと荻パンのイメージがかなり強かったのですが、今回の往訪でその認識を改めることとなりました。ソムリエとしてそちらのテイストも味わっておかねばなりませんね。
グレード感
グレード感は意外と普通めでした。意外とと言うのも、以前グレード感が辛いジムについて知人と話に上がったことがあったのですが、その時に『荻パンよりも横パンの方が辛いよ』と言われ、荻パンより辛いジムってどういうグレード感なんだよと思っていたので、結構おっかなびっくり訪れたのですが、リニューアルセットの今回はソムリエ基準でジャスト普通くらいでした。すっごくわがままなことを言えば、激辛の状態を味わっておきたかった! ソムリエとしてそのヤバさを知っておきたかった。遠征客としてはこのくらいで丁度いいぐらいでしたけどね← まぁ以前にも話したようにジムのグレード感はお客さんが作っていくものなので、今後どうなっていくかは読めませんね。
編集後記
大人として素直にいいなと思ったのが、キッズの利用が土日祝日は午後3時までに制限されているという点でした(平日は午後6時半まで)。午後3時からは大人の時間。大人にも優しいジムというのは、もっと評価されるべきだと思うのです。休日の遠征ともなると、最近はどこに言っても子供や新規さんでごったがいしているので、この制限は素直に助かります。3時過ぎたら遠慮なく本気トライができる。
ちなみに子供は嫌いじゃないですよ? ただ登っている時にとても危なくて、怖い思いは何度もしてきましたが。とりわけ都心部やその周辺のジムでは子供と新規さんの危険度半端じゃありませんからね。落ち先に急に走ってきたり、普通に壁の横を歩いてきたりと、何度も何度も何度もそんな場面に遭遇しました。初回レクチャーで何を聞いていたのか問いただしてやりたくなる。この状況が続けば、いつかヤバめの事故が起きてもおかしくないと思うんですよ。もしくはすでに起きていて、表沙汰になっていないだけかもしれませんが。ですからこの制限があるのは本当に助かります。午後3時からという時間のバランスもいい。5時からとかだったら諦めてしまった課題もいくつかあったことでしょう。パッと思いつく限り、水戸のAvueも大人のジムです。日々悶々としている方はぜひそちらもチェックして見てください。気兼ねなく登れる環境というのは大切にしたいものです。
さて、いかがでしたでしょうか。旧横パンも良いところだったのでしょうが、新しく生まれ変わった横パンもまた違った魅力に溢れている素晴らしいジムかと思います。遠征に最適な環境が整っておりますので、是非足を運んで見てください。近隣のコインパーキングがやや高めだったので、車で行く際には乗り合いで行くのが無難でしょう。
それではまたお会いしましょう。